院長コラム

2025.12.27

仕事を休みがち…迷惑をかけてしまう罪悪感とうまく付き合うために

「また休んでしまった」
「同僚に迷惑をかけている気がする」
「自分は社会人失格なんじゃないか」

うつ病で治療を受けている方の多くが、体調そのものよりも“罪悪感”に苦しんでいると感じます。
特に20代〜70代まで、年齢を問わず、責任感が強い方ほどこの悩みを抱えがちです。

この記事では、
仕事を休みがちな自分を責めすぎてしまう気持ちと、どう向き合えばいいのか
精神科医の立場から、できるだけ日常に落とし込みやすい形でお伝えします。


「休む=迷惑」という思い込みが心を追い詰める

日本の職場文化では、

 ・休まず働くこと

 ・我慢すること

 ・周囲に配慮すること

が美徳とされてきました。

そのため、体調不良で休むと
「甘えているのでは」
「みんな頑張っているのに」
と、自分を責めてしまいがちです。

しかし、うつ病は気合いや根性でどうにかなる病気ではありません。
脳の働きや神経伝達のバランスが崩れることで、

 ・朝起きられない

 ・集中できない

 ・強い疲労感が抜けない


といった症状が出ます。

これは「怠け」ではなく、治療が必要な状態です。


本当に迷惑をかけているのは「休むこと」ではない

ここで少し視点を変えてみてください。

無理をして出勤した結果、

 ・ミスが増える

 ・判断力が落ちる

 ・周囲に気を使いすぎてさらに疲弊する

こうした状態が続く方が、結果的に職場全体に負担をかけることも少なくありません。

適切に休み、治療に専念することは、長期的には自分にも職場にもプラスです。

厚生労働省も、メンタルヘルス不調時には「早期対応・休養の重要性」を明確に示しています。
参考:厚生労働省「こころの健康」


罪悪感が強い人ほど「回復が遅れやすい」

臨床の現場では、
「申し訳なさで頭がいっぱい」
「休んでいる間も気が休まらない」
という方ほど、回復に時間がかかる傾向があります。

理由はシンプルで、
罪悪感そのものが強いストレスになるからです。

うつ病の回復には

 ・休養

 ・安心感

 ・自分を責めすぎない環境

が欠かせません。

「今は治療と回復が自分の仕事」
そう捉え直すことが、回復への第一歩になることも多いのです。


罪悪感とうまく付き合うための3つの考え方

① 「迷惑をかけない人」は存在しない

誰でも、病気・家庭の事情・年齢によって、支えられる側になる時期があります。
今はたまたま、あなたの番なだけです。

② 休んでいる=何もしていない、ではない

通院する
薬をきちんと飲む
生活リズムを整える

これらはすべて治療という大切な行動です。

③ 回復した後にできる形で返せばいい

今すぐ完璧に返そうとしなくて大丈夫です。
回復したあと、できる範囲で社会とつながり直せば十分です。


周囲にどう思われているかが不安なとき

「本当はどう思われているんだろう」
と考え始めると、頭から離れなくなることがあります。

その多くは、**事実ではなく“想像”**です。
うつ状態では、どうしても自分に厳しい解釈になりやすくなります。

もし可能であれば、

 ・主治医

 ・カウンセラー

 ・信頼できる家族

と一緒に、その考えを整理してみてください。
一人で抱え込まないことがとても大切です。


市川市・浦安市・船橋市・江戸川区でお悩みの方へ

仕事を休みがちになると、
「これ以上相談していいのかな」
「こんなことで受診していいのかな」
と迷われる方も多くいらっしゃいます。

しかし、その迷い自体が、すでに心が疲れているサインかもしれません。

さんメンタルクリニックでは、
うつ病や抑うつ状態でお悩みの方が、安心してご相談いただける環境を整えています。


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ご自身のタイミングで、無理なくご予約いただけます。
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著者

さんメンタルクリニック院長 宇谷悦子

経歴

・鹿児島大学医学部医学科卒業
・鹿児島大学医学部眼科入局
・医師免許取得
・島根大学医学部精神医学講座入局
・島根大学医学部附属病院 外来医長
 (リエゾン医/緩和ケアチーム兼任)
・特定医療法人恵和会 石東病院 診療部長
・大田市立病院 非常勤医
・島根県央保健所こころの相談
・大田市自死対策委員
・南行徳メンタルクリニック副院長
・さんメンタルクリニック院長

資格・所属学会

・精神保健指定医
・日本精神神経学会