院長コラム

2026.02.21

更年期とうつ病の関係──女性ホルモンの変化が心に与える影響

「最近、気分が落ち込みやすくなった」
「疲れが取れず、何もする気が起きない」
「以前は楽しめていたことが楽しめない」

このような変化を感じ、不安を抱えている方は少なくありません。特に40代後半から50代にかけての更年期には、女性ホルモンの大きな変化によって、心の状態が不安定になることがあります。

一方で、その症状が更年期によるものなのか、それとも「うつ病」なのか判断が難しいこともあります。本記事では、その関係と対処法について解説します。


更年期に起こる女性ホルモンの変化

更年期とは、閉経をはさんだ前後約10年間を指します。この時期には、女性ホルモンである「エストロゲン」が急激に減少します。

エストロゲンは、月経や妊娠だけでなく、脳の働きにも重要な役割を果たしています。特に、気分を安定させる「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質の働きを支えています。

そのため、エストロゲンが減少すると、以下のような症状が現れやすくなります。

・気分の落ち込み
・不安感
・イライラ
・集中力の低下
・不眠
・疲れやすさ

厚生労働省も、更年期には身体症状だけでなく抑うつや不安などの精神症状が現れることがあると説明しています。

詳細はこちらから

これらの症状は「更年期だから仕方ない」と思われがちですが、適切な対応で改善が期待できます。


更年期症状とうつ病の違い

更年期とうつ病は症状が似ているため、見分けが難しい場合があります。

更年期に多い特徴

・日によって調子の波がある
・ほてりや発汗(ホットフラッシュ)を伴う
・身体症状が目立つ

うつ病に多い特徴

・ほぼ毎日、強い気分の落ち込みが続く
・興味や喜びが失われる
・意欲が著しく低下する
・自分を責める気持ちが強くなる

詳しくは
もしかしてうつ?セルフチェックで分かる心のSOSサイン
も参考になります。

更年期とうつ病は重なることも多く、更年期をきっかけにうつ病を発症する方も少なくありません。


環境の変化も大きな要因になります

更年期の時期は、人生の中でも変化の多い時期です。

・子どもの独立
・親の介護
・仕事の変化
・身体の老化の実感

こうした出来事が重なり、心理的な負担が増えることがあります。

また、不眠が続くことでさらに気分が落ち込みやすくなることもあります。

うつ病の原因については
うつ病の原因第1位は?ストレスだけではない「脳の仕組み」
もご参照ください。

睡眠の改善は、心の回復にとても重要です。


男性にも起こる更年期と抑うつ症状

更年期は女性だけの問題ではありません。男性でも男性ホルモンの低下により、

・意欲低下
・抑うつ
・集中力の低下
・疲労感

などが現れることがあります。

また、年齢に関係なく、ストレスや生活環境の変化がうつ症状のきっかけになることもあります。

「気の持ちよう」ではなく、脳の働きの変化によるものです。


我慢せず、早めの相談が回復への近道です

更年期の症状は、「そのうち良くなる」と我慢される方が多いのですが、症状が長引くほど回復に時間がかかることがあります。

以下のような状態が続く場合は、医療機関への相談をおすすめします。

・気分の落ち込みが2週間以上続く
・眠れない日が続く
・仕事や家事に支障が出ている
・外出するのがつらい

治療には、

・環境調整
・心理療法
・薬物療法
・必要に応じたホルモン治療

などがあります。

「早く相談すること」が、回復を早める大きな要因になります。


市川市・浦安市・船橋市・江戸川区周辺で心の不調に悩んでいる方へ

更年期による心の不調は、誰にでも起こり得る自然な変化です。しかし、適切な治療によって改善できる可能性が高い症状でもあります。

・理由なく涙が出る
・気力が出ない
・不安が続く

こうした症状がある場合、一人で抱え込まずご相談ください。

早期の対応が、回復への第一歩になります。


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著者

さんメンタルクリニック院長 宇谷悦子

経歴

• 鹿児島大学医学部医学科卒業
• 鹿児島大学医学部眼科入局
• 医師免許取得
• 島根大学医学部精神医学講座入局
• 島根大学医学部附属病院 外来医長
 リエゾン医/緩和ケアチーム 兼任
• 特定医療法人恵和会 石東病院 診療部長
• 大田市立病院 非常勤医
• 島根県央保健所こころの相談
• 大田市自死対策委員
• 南行徳メンタルクリニック副院長
• さんメンタルクリニック院長

資格・所属学会

• 精神保健指定医
• 日本精神神経学会