院長コラム

2025.11.15

もしかしてうつ?セルフチェックで分かる心のSOSサイン

最近、「なんとなく元気が出ない」「眠れない」「仕事に行くのがつらい」──
そんな気持ちを感じていませんか?

それは単なる“疲れ”や“気のせい”ではなく、うつ病の初期サインかもしれません。
うつ病は、特別な人だけがなるものではなく、誰にでも起こりうる“こころの不調”です。
今回は、ご自身でできるセルフチェックを交えながら、
「いま心がどんな状態にあるのか」を知るためのヒントをお伝えします。


うつ病のサインは「静かに」「少しずつ」やってくる

うつ病の症状は、風邪のように明確な始まりがあるわけではありません。
気づいたときには、「以前の自分と違う」感覚が長く続いていることが多いのです。

代表的な症状としては以下のようなものがあります。

  • 朝起きるのがつらく、体が重く感じる
  • 何をしても楽しいと感じられない
  • 集中力が続かない、ミスが増えた
  • 食欲がない、または食べすぎてしまう
  • 寝つきが悪い、早朝に目が覚めてしまう
  • 自分を責める気持ちが強くなる
  • 涙もろくなる、将来に希望が持てない

こうした状態が2週間以上続く場合は、うつ病の可能性があります。
厚生労働省も「こころの健康のために早めの相談を」と呼びかけています

(参考:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス総合サイト)。


🎥 動画でチェック:「うつの“前ぶれ”8サイン|医師がチェック法を解説」

読むよりも動画で理解したい方のために、
同じテーマで解説しているYouTube動画を掲載しています。

👉 こちらの動画もぜひご覧ください。

動画では、日常の中で気づきにくい「こころの疲れサイン」について、
実際の患者さんの相談事例をもとに、わかりやすく説明しています。


簡単セルフチェック|あなたの「こころの疲れ度」は?

次の10項目のうち、いくつ当てはまるか数えてみてください。
(※当てはまる項目が多いほど、うつ状態の可能性が高いといわれています)

・朝起きても疲れが取れない

・以前より笑う回数が減った

・人と会うのが面倒になった

・テレビや音楽に興味が持てない

・夜中に何度も目が覚める

・食欲にムラがある

・仕事や家事のペースが落ちている

・ミスが増えて注意されることが多くなった

・些細なことで涙が出る

・「いなくなりたい」とふと思うことがある

3〜4項目当てはまる → 軽度のストレス状態
5〜7項目 → うつ状態の可能性あり
8項目以上 → 医療機関への相談をおすすめします


女性に多い“隠れうつ”とは

特に女性は、更年期やホルモン変化など身体的な要因が重なり、
「気分の波」や「不眠」が長引くことがあります。

「家族のために頑張らなきゃ」と無理を続け、
気づいたときには笑顔を作ることさえ苦しくなっている──
そんなご相談を、当院でも多くいただきます。

うつ病の発症率は女性のほうが男性より約2倍高いとされています。
“我慢強さ”が裏目に出やすいこともあり、
「まだ大丈夫」と思っている方ほど注意が必要です。


市川・浦安・船橋・江戸川区にお住まいの方へ

~身近に相談できる場所を持ちましょう~

千葉県・東京東部エリア(市川市、浦安市、船橋市、江戸川区)には、
精神科や心療内科が複数ありますが、
「どこに相談したらいいか分からない」という方も少なくありません。

まずは、気軽に話せるクリニックを選ぶことが大切です。
いきなり薬を出すのではなく、
生活リズムや職場環境なども一緒に整理してくれる医師を選ぶと安心です。

また、うつ病は「治る」病気です。
時間はかかっても、きちんと向き合えば回復していきます。
そのためには、早めの受診と適切なサポートが欠かせません。


「休むこと」は甘えではありません

うつ病の方が口にする言葉の中で、
「周りに迷惑をかけてしまう」「自分が弱いのが悪い」というものがあります。

しかし、心の病気は「努力不足」ではありません。
脳の機能が一時的に疲れている状態であり、
風邪や胃炎と同じように、**きちんと休養と治療が必要な“身体の反応”**なのです。

もし今あなたが、「会社を休みたい」「家から出たくない」と感じているなら、
それはあなたが怠けているのではなく、
心が助けを求めているサインです。

どうかその声を無視しないでください。


さんメンタルクリニックからのメッセージ

当院では、女性医師による丁寧なカウンセリングを中心に、
一人ひとりの生活背景や性格に合わせた治療を行っています。

薬だけに頼らず、生活リズム・人間関係・仕事のバランスなど、
「今のあなたに必要なサポート」を一緒に考えていきます。

誰かに話すだけで、心が軽くなることもあります。
「行ってよかった」と思っていただけるような場所でありたいと願っています。


📱 さんメンタルクリニックはWEB予約が可能です。
スマートフォンから24時間ご予約いただけます。
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著者

さんメンタルクリニック院長 宇谷 悦子

経歴
• 鹿児島大学医学部医学科卒業
• 鹿児島大学医学部眼科入局
• 医師免許取得
• 島根大学医学部精神医学講座入局
• 島根大学医学部附属病院 外来医長(リエゾン医/緩和ケアチーム兼任)
• 特定医療法人恵和会 石東病院 診療部長
• 大田市立病院 非常勤医
• 島根県央保健所こころの相談
• 大田市自死対策委員
• 南行徳メンタルクリニック副院長
• さんメンタルクリニック院長

資格・所属学会
• 精神保健指定医
• 日本精神神経学会